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東京地方裁判所 昭和54年(ワ)12784号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

一<証拠>を総合すれば、被告は、安との間において、昭和四二年一月ころ、西武池袋線江古田駅近辺にある数軒のぱちんこ店が遊技客に提供した賞品を客から買い受け、これをぱちんこ賞品問屋に販売する事業を東京都練馬区栄町八番五号において共同で行ない、そのため、被告及び安において七五万円ずつ出資する旨の組合契約(本件組合契約)を締結し、安はそのころ七五万円を出資したこと、昭和四七年三月二四日及び昭和四八年旧暦正月一日に、被告と安との間で、本件組合契約における出資を増額する旨合意して、安はそのころ一五万円及び一二万五〇〇〇円をそれぞれ出資したこと、ぱちんこ賞品買受販売業(いわゆる景品買い)は、一般に、景品買業者、ぱちんこ店営業者及びぱちんこ賞品問屋の間で協定を結んだうえ、ぱちんこ店が遊技客に提供する賞品のうちの特定の賞品(この特定の賞品も、ぱちんこ店営業者、景品買業者及びぱちんこ賞品問屋の三者の話合によつて取り決められる)を景品買業者が遊技客から買い受け、これをぱちんこ賞品問屋に販売し、右問屋がこれをぱちんこ店に卸すという仕組の上に成り立つているが、被告及び安が本件組合契約により共同事業として行なおうとし(かつ行なつ)たぱちんこ賞品買受販売業も右に述べた一般の景品買いと何ら異なるところはなく、江古田駅近辺の数軒のぱちんこ店営業者、ぱちんこ賞品問屋と協定を結んだうえで、右ぱちんこ店が遊技客に提供した賞品のうちの特定の賞品(例えば、昭和五三年ころはコンビーフの缶詰)を遊技客から買い受け、これをぱちんこ賞品問屋に販売するものであつたことが認められ、右認定に反する被告本人の供述の一部は措信することができず、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。

ところで、東京都風俗営業等取締法施行条例二七条は、遊技場の営業及び従業者は、一般的遵守事項のほかに同条所定の事項を遵守しなければならないものと定め、右遵守事項の一つとして「客に提供した賞品を買い取り、または買い取らせないこと」を掲げ、右条例はこれに違反した場合の罰則規定も設けている。そして、右の各規定が設けられた趣旨は、遊技場の営業者らが右の行為をなすのを放置すれば、賞品を容易に現金化できることにより、客が遊技場を現金獲得のために利用する恐れが生じ、射幸心が蔓延するなど善良の風俗が害されるようになるので、これを未然に防止することにあるものと解される。

そこで検討するに、本件組合契約により被告及び安が行なおうとした前認定のぱちんこ賞品買受販売業は、ぱちんこ店営業者らの、右条例によつて禁止されている行為に荷担するものであり、それ自体も、射幸心を蔓延させるなど善良の風俗を害する危険性をもたらすものというべきである。それゆえ、本件組合契約は公序良俗に反するものとして無効であるといわざるを得ない。  (山﨑宏)

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